欧州発 僕らのワンダフルライフ vol.01

犬の殺処分ゼロを掲げ、ヨーロッパ屈指の犬先進国ドイツに暮らす筆者が綴る「欧州発僕らのワンダフル・ライフ」。
その第1回は小学校で子どもたちのために働く「スクールドッグ」。週に2回登校して、子どもたちを見守るのがお仕事というミニ・オーストラリアン・シェパードのフーゴの日々をご紹介します。

 

vol.01 犬大国ドイツ発、4本脚の教育者が学校を救う!?

 

税金を納め、パスポートを持ってジェットセッターさながらに旅し、おしゃれなレストランの常連とは、ドイツに暮らす犬たちのこと。殺処分ゼロを掲げ、人間と犬が共存するヨーロッパ屈指の犬先進国ドイツから、愛犬家をも驚かせるプロフェッショナルな仲間をご紹介。

小学校で子どもたちのために働く、「スクールドッグ」を知っていますか?

ドイツ人にとって犬はかけがけのない家族であり、いわば人間と対等な存在。飼い主が暮らす市の一員として犬税と呼ばれる税金を支払う義務があり、大人料金の半額を支払えば公共交通機関も利用できます。

そんなドイツには、市民の日常を支え社会とつなぐ、優秀な犬たちが数多く活躍しています。

真っ先に思い浮かぶのは、ドイツが発祥と言われる警察犬や盲導犬。ほかにも、ハンディキャップを持つ飼い主のためにドアを開けたり、落し物を拾ったりする「生活サポート犬」や、心的外傷ストレス生涯に苦しむ人の心に寄り添う「PTSD介助犬」、嗅覚を生かして低血糖の変化を知らせる「糖尿病アラート犬」など。

さらに注目したいのは、知られざる「スクールドッグ」の存在。その数は、現在ドイツ全国で1000匹以上。ここ数年、増加の一途をたどっています。

ブランデンブルク州ポツダム市にあるバーデルスベルク・ゲーテ小学校で、子どもたちと一緒に学校に通うミニ・オーストラリアン・シェパードのフーゴ(3歳)の毎日をのぞいてみることに!

同州で2匹目の学校犬として、小学校で働くフーゴ。授業中に生徒が騒げば、「ウ~ン」と鳴いて穏やかに警告。

相棒の先生と一緒に授業に参加。フレンドリーなフーゴ先生は、いつだって生徒たちの人気者。

生後9週目に、教師である飼い主シュテファニー・ミュールベルクのもとにやってきたフーゴ。セラピー犬として訓練を受け、2016年よりゲーテ小学校へ入学。
「私が悲しかったとき、フーゴは慰めてくれたの」と、生徒のひとり。

けれど、フーゴは癒しや遊びのためだけに登校するのではありません。
生徒たちの心を落ち着かせながら、学習意欲や自信を高めるのが本業。たとえそのクラスでケンカが勃発していたとしても、フーゴが輪に加われば、たちまち生徒たちは静かになってしまうというから、教育者としての力量は抜群!

ドイツ語に不慣れな外国出身の子どもに対しては、フーゴの鼻や耳、手足を触りながら単語を覚える授業も実施しており、フーゴは生きる辞書として才能を発揮する日も。

犬が人間に及ぼす影響に対する科学研究が、急速に進んでいる昨今のドイツ。
いくつかのリサーチでは、犬とのふれあいによって通称「幸せホルモン」として知られるオキシトシンが分泌されるため、犬が子どもをリラックスさせるという研究結果が発表されています。

スクールドッグ研究者ブリタ・オルトバウアー氏によると、スクールドッグの導入は極めてポジティブな成果をもたらすそう。
生徒たちの通学意欲を促す、孤立している子が仲間に入りやすくなる、ふざけがちな子どもの態度が好転する、人間関係の衝突が減る、教師が無視されるケースが減るなど。

ちなみに、人間を助けるアシスタントドッグに適しているとされるのは、賢く優しく、協力を好むプードルやレトリーバー系、ドゥードゥル(プードルとレトリーバーの交配種)が筆頭。

生徒たちのストレスを軽減させ、多幸感をもたらす愛すべきスクールドッグが、日本にやって来る日も近いかもしれません。

Good Job! 一番最初に課題をクリアした生徒は、フーゴにおやつをあげられることも。


Text by Etsuko Aiko(ドイツ・ケルン在住)
Thanks to Schulhund Hugo
https://www.facebook.com/GoetheHugo/

 

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