欧州発 僕らのワンダフルライフ vol.09

今や、全世界の人々の生活を脅かしている新型コロナウィルス――。日本でもついに、全国に緊急事態宣言が発令されました。一方、のあ🐶と私が暮らしているフランスでは、3月17日の正午から既に1ヶ月以上もの間、厳重な外出禁止令が敷かれ続けています。「外出禁止ということは、犬の散歩はどうしているの?」「パリの現在の様子は?」と、心配してくださる日本のみなさんからたくさんの質問があったので、のあ🐶が“わんわんリポーター”としてパリの現状をお伝えします。

 

vol.09 コロナウイルスに負けないぞ!規則を守って、パリをお散歩

 

のあ🐶も毎日、特例外出証明書を持って散歩に行きます。

まずは、犬の散歩について。幸い、犬は一切外に出てはいけないというわけではないのでご安心を。とはいえ、フランスではレストランやカフェ、ブティック、映画館などはすべて営業禁止とされており、スーパーやお惣菜屋などのテイクアウト系の食料品店や薬局、病院などといった“生活していく上でどうしても必要とされる店や施設”は開いていますが、これらの場所に行く時と同様に、犬の散歩に出掛ける際にも特例外出証明書を身分証明書とともに持ち歩かなくてはなりません。

こちらは、特例外出証明書のサンプル。ちなみに特例外出証明書が発行された当初は、この文書を手書きしたものでも代用可能で、逆に書類の写真を撮ったスクリーンショットを携帯電話で見せても無効とされていました。けれども、4月6日からはフランスの内務省のホームページにアクセスしてQRコードを取得すれば、携帯電話での書類提示でも可能に。このように条例は日々新しくなっていくので、常に内務省の情報をチェックしていなくてはなりません。

この書類には氏名、生年月日、出生地、現住所、外出日と自宅を出発した時間、サインを直筆で明記し、幾つかある外出の目的事項の中からひとつだけに印をつけます。スーパーなどでの買い物や犬の散歩、ジョギングなどのスポーツの場合、外出できるのは1日1回、自宅から1㎞以内の範囲で1時間未満と限られています。ですので、のあ🐶も必ず散歩の際にはこの書類を持参し、既定の制限時間と範囲内での外出にとどめています。

警察犬を連れてチュイルリー公園をパトロール中の警察官。特例外出証明書の提示を求めて、パトカーや馬に乗った警察官がコントロールしているのを見かけることも。

街中の至る所で常に警察官がパトロールしていて、特例外出証明書を持っていなかったり、違反したりした場合には罰金を支払わなくてはなりません。マクロン大統領が最初に「外出を自粛するように」と発表した当初はふらふらと出歩いていたパリジャンたちも、さすがに外出禁止令が出た今となっては、よほど必要な用事がない限りは自宅でおとなしく過ごしていますし、外出時には他人との距離を2m以上取るように気をつけています。なにしろ、この書類には「ジョギングなどのスポーツは独りで行うように。また、同居人以外との散歩は禁止」とまで書かれているのです! しかも、この条例は日々改定されていっそう厳しさを増しており、4月8日からはパリでのジョギングは10時~19時の時間帯は禁止とされてしまいました。

外出禁止令が出て以来、閉鎖されてしまったパリの公園。チュイルリー公園の柵にも閉園の張り紙がされ、門がしっかりと閉じられています。元々、門があるこちら側は犬は立ち入り禁止ですが、いつもならばジョギングやひなたぼっこを楽しむ人々でにぎわう憩いの場です。

パリ装飾美術館とルーヴル美術館にはさまれた、芝生の生えているこのエリアがパリの“フリー・ドッグラン”。今は、この付近に住む犬たちにしか会えません。

ちなみに、パリにはドッグランのような施設は特になく、チュイルリー公園とビュットショーモンがドッグランのような存在になっています。大抵の公園は柵で取り囲まれていて犬は立ち入り禁止なのですが、チュイルリー公園内でルーヴル美術館側の芝生のある場所には柵がないので、言わば24時間オープン・完全無料の“フリー・ドッグラン”さながら、パリの犬たちの社交場として常々にぎわっていました。

天気のよい休日には、多い時には20匹以上もの犬たちがパリ中から集まり、元気に遊びまわっているチュイルリー公園も、このところは閑散としています。人々はお互い2m以上のソーシャルディスタンスを取らなくてはならないため、これまでのように犬を遊ばせながら飼い主たちがおしゃべりに花を咲かせることはできません。けれども、犬を介して他人にコロナウィルスがうつる心配はないと言われているため犬同士ならば挨拶ができるので、ほんの一瞬でも久々にお友だちに会えると、のあ🐶も嬉しそうです。

だぁーれもいない、ルーヴル美術館……。思わず、目を疑ってしまいます。

いつもは世界中から訪れる観光客であふれかえっているルーヴル美術館も、休館中とあって誰もいません。

奥の中央に見えるグリーンの建物が、オペラ座。時々通り掛かる車はあるけれど、歩いている人の姿はほとんどありません。

また、オペラ通りも人通りがなくガランとしているので、遠くからでもオペラ座の姿が見渡せてしまうほど。

なんと、郵便局ですら閉まっていました! 扉には、代わりに営業しているという他の郵便局の住所が書かれていたので、いざそこに行ってみても、そちらも開いておらず……。そんなこんなで、切手を買うのにもひと苦労。

ちなみに最寄りの郵便局に行こうと思ったら、なんと扉が閉まっていました。結局この後、なんと4軒もの郵便局をたらいまわしにされることに……。人々にとって重要な郵便局でさえも、全店舗が営業しているわけではなく、限定された窓口だけが営業時間を短縮して開いているという状況なのです。スーパーにしても郵便局にしても、一度に入店できる人数を制限しているため外でしばらく待たされますが、もちろんその列に並ぶ際にも前後の人との距離は空けますし、支払い時にスタッフのいるレジではなくセルフサービスの機械で会計をするにせよ、たとえ10台近くマシンがあっても、人との間隔を空けるために3名までしか使えないといった具合に徹底されています。

よかった! 薬局の十字架マークがライトアップされていました。薬局の店員さん、ありがとう!!

散歩から帰る前に のあ🐶の目薬を買おうと薬局へと向かうと無事に営業していたので、ほっとすると同時に薬局のスタッフさんたちに心から感謝! 病院や薬局、スーパーマーケット、郵便局などにお勤めの方々や、電車やバス、タクシーの運転手などのように人と接するお仕事に携わっている人々のありがたさが心に沁みました。日本のみなさんも外出を制限されて不自由な思いをされていると思いますが、フランスに住む私たちも、全世界の人々も、一刻も早くコロナウィルスの脅威が収まる日を願って耐え続けているので、みんなで頑張りましょうね。そしてまた、チュイルリー公園でたくさんの犬たちが仲良く走り回る姿を目にすることができるようにと祈っています……!!


Text & Photos by Masae Hara

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