LAセレブドッグ vol.04

新型コロナウイルス対策として、ステイホームが長引くなか、 私たちのストレスも大きくなっているようです。では愛犬たちはどうでしょう? 以前より散歩の時間が短くなり、ドッグランにも行けないなど、少なからず負荷がかかっているかも? ロサンゼルス在住の小山さんに、LAで話題の犬のヘルストレンドついて聞きました。

 

vol.04 犬のストレスを緩和させる⁉ 最新ヘルストレンド

 

「ロサンゼルスでは日々たくさんのヘルストレンドが生まれています。ペットも家族という意識が強いことからも、自分と同様にペットのヘルスケアにも気を配る人が多く、人間の間で流行ったヘルシーフードは、必ずと言っていいほど、犬用にも展開されています。たとえば最近なら、グルテンフリーのペットフードやオメガ3オイルのサプリメントなど、さまざまな種類の商品が販売されています。

そんなロサンゼルスで、いまブームとなっているのがCBD。大麻から抽出された成分の名前です。CBDは、カンナビジオールを略したもので、抗酸化作用や気持ちを落ち着かせる作用、痛みの緩和作用のあるもの。大麻のもうひとつの主成分である向精神作用のある成分はTHCと言います。

ロサンゼルスで流行している、CBDを使用した電子タバコ状の商品。熱を加えて成分を水蒸気のように出し、吸引します。フレーバーや、CBDとTHCのバランスで好みのものを選びます(ペット用ではありません)。

カリフォルニアで大麻が合法化されたことを皮切りに、大麻関連商品の売り上げは非常に伸びました。たとえば、日本の電子タバコに似た、大麻用の電子タバコでは、カートリッジでCBDとTHCの割合を選ぶことができます。リラックス効果や頭痛改善を目的に購入する人が多いようですね。そのほか、CBDのみを含む商品は、サプリメント、美容&アロマオイル、ハンドクリームやリップクリームなど多岐に渡り、健康・美容業界でも注目の的……ということで、人間の間で流行しているものは、ペット用にも展開されるというセオリーから、現在では犬用のCBDオイルも販売されています。

※大麻草の成熟した茎又は種子から抽出されたCBDは日本でも利用可能ですが、それ以外の大麻草由来のCBD、および大麻草由来の成分であるTHCを含む製品は日本では大麻取締法で「大麻」として規制され、輸出入、所持、譲渡、譲受した場合は罰せられる可能性があります。
(厚生労働省; http://www.ncd.mhlw.go.jp/dl_data/cbd/guidecbd.pdf )

犬用のCBDは、オイルになっているものが主流。スポイトで数滴、口に直接入れたり、いつもの食事に混ぜて与えるそう。

その効能については、アメリカンケンネルクラブの記事によれば「明確な科学的データはないが、発作の抑制に役立つだけでなく、痛み、特に神経障害性の痛みを治療できることを示唆する犬の飼い主からの事例証拠がある」とのこと。犬用CBDオイルを販売しているメーカーでは、“花火など外の音に敏感な犬のストレスを緩和する”などのキャッチコピーを使用しており、ロサンゼルス市内では犬用CBDの広告をまとったラッピングバスを見かけることもあります。流行のCBDで犬のストレスまでケアする独特の意識の高さは、犬好きが多いロサンゼルスならではのブームです」

最近は輸入品としてCBDオイルを日本で目にすることも多くなりました。新しい成分だけに、愛犬に使用するのは不安なところですが、日本の動物診療の現場ではどのように考えられているのでしょうか。

「最近、クリニックでもCBDについて質問される機会が増えた」という獣医師の小島麻里先生は「CBD自体はオイルやトリーツとして米国含む海外で認知されつつあるのは承知していますし、近年、獣医療でもいくつかの論文が報告されています。その中で2019年にコロラド州立大学のグループが難治性特発性てんかんの犬にCBDを投与した報告があるのですが、従来の治療と比較して高い効果は得られず、肝臓への副作用も認められたという事例がありました。そのため、現時点ではCBDは動物診療のコンセンサスとして支持されているものではありません。効果や投与量、副作用に関して臨床データ自体もまだ少ないため、慎重にならざるを得ない、というのが正直なところです」と語ってくれました。

新しいヘルスケアトレンドやサプリは大いに気になるものの、モノ言わぬペットの身体にはより慎重になりたいものですね。1日も早く新型コロナウイルスが収束し、ストレスを抱える犬たちが、ドッグランや公園を駆け回る日が再びやってきますように、と祈っています。


Text by Miyako Akiyama
Thanks to Yoko Koyama, Mari Kojima

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