愛犬と一緒に「キンプトン新宿東京」ステイ

トラベルライターの長谷川あやさんが、愛犬と旅するトラベルレポート。今回は2020年10月、東京・西新宿にオープンした、「キンプトン新宿東京」。ドッグフレンドリーのホテルとして愛犬家の間でも話題のホテルです。

 

 

2020年10月にオープンした、「キンプトン新宿東京」

「キンプトン」という名称、あまり聞きなれない人も多いかと思うので簡単に説明しておきますね。IHGホテルズ&リゾーツのラグジュアリーライフスタイルブランドである「キンプトンホテルズ&レストランツ」(以下、キンプトン)は、1981年にアメリカ・サンフランシスコに最初のホテルがオープン。現在は全世界に70以上のホテルと80以上のレストランを展開しています。

NYのアートシーンからインスピレーションを受けた同ホテルには、20名のアーティストによる作品が飾られています。こちらは、エントランスに置かれたdee-words(猪本大介)作の「Okaeri」。世界のさまざまな言語で、“おかえり”や“ようこそ”を意味する言葉が描かれています。

それぞれのホテルが異なるテーマを持ち、個性を放っているのが特徴で、日本初進出となる「キンプトン新宿東京」のテーマは、「ニューヨーク・マンハッタンのアートシーン」。そこにさらに新宿という街のエネルギーが融合した、ライブ感あふれるアートなホテルが誕生しました。

また、キンプトンは、グローバルにドッグフレンドリー、いえ、ペットフレンドリーということも前面に打ち出していて、「キンプトン新宿東京」でも全151室のうち75室もの客室で、追加料金なしでペットとお泊まりができます(1人1ペットまで)。宿泊できるのは、「エレベーターに乗ることができる、家庭で飼育されているペット」と、受け入れ範囲もめちゃくちゃ広いんですよね(スタッフに確認したところ、これまで猫やうさぎはもちろん、「子豚をお連れになったお客さまもいらっしゃいました」とのこと!)。ロビーなどのパブリックエリアも、ほとんどの場所にペットを同伴できるとか。これはぜひ愛犬と偵察に行かねばと、早速、宿泊の予約を入れました。

「聞いてないよ」と言う声が聞こえてきそうですが、ここで簡単に私の自己紹介をさせていただきますね。筆者は運転免許なし、パートナーなしの都内在住。6歳のミニチュアダックスフントと老母と一緒に都内で暮らしています。これが「ひとりで」「電車で」移動し、イヌと旅している理由です。

甲州街道沿いを初台方面へ。「パークハイアット東京」のすぐ近くです。

この日も、JR新宿駅からてくてくと歩いていきました。私ひとりなら西新宿駅まで地下鉄を使ったかもしれませんが、ケージを抱えて乗り換えるより、歩いたほうが早くて楽ちんだと考えました。新宿駅南口から「キンプトン新宿東京」までは徒歩約10分。ちょうどいいお散歩コースですしね。

胸アツのウェルカムボード。愛犬の名前(kelly)が書かれています。意味なく何枚も写真を撮ってしまいました。

ホテル到着! ほかのシティホテルなら、愛犬にはもう一度、ケージに入ってもらって──となるところですが、「キンプトン新宿東京」は、館内のほとんどの部分で、リードを付けてイヌを歩かせることができます──と、わかってはいたものの、やっぱりちょっとびくびくしながら扉を開けたのですが、そんな心配は愛犬の名前が書かれたウェルカムボードとスタッフの笑顔であっという間に吹き飛びました。ちなみにウェルカムボードの絵は、スタッフが描いているそうです。アートなホテルは、スタッフもアーティストなんでしょうか……。ボードの前で記念撮影したいところですが、うちのイヌは慣れないシャレオツな雰囲気に少し興奮気味です。まずはチェックイン手続きを済ませましょう。

フロント前のソファでのチェックイン手続きを進めている時も、そわそわ落ち着かない愛犬を、イケメンスタッフがかまってくれます。しかし、我が娘はさらに興奮度アップ、申し訳なさすぎです。っていうか、ほんとごめんなさい、うちの仔、イケメンに弱いんですわ(笑)。

かわいいイヌ用の洋服、最後まで悩みました……。誕生日に買ってあげようかな。

ふとフロントに目をあげると、フロントを囲むように、東京の“今”を感じさせるアイテムを揃えた、コンセプトショップが。薄目でチラっと見たのですが、「PEGION」のドッグアイテムや、ホテルのエントランスで香る「トバリ(TOBALI)」のフレグランスキャンドルなど、欲しいものばかり。これは危険です。

コレ、うれしいですよね。ダイエット中だけど、今日は特別です。でもちょっと待って、写真、撮ってからね!

さ、部屋に行きましょ、部屋に。部屋に入ったらまずは探検です。リード外すね~と思いきや、部屋の奥のほうが気になる様子。あら、愛犬の名前がデコレーションされたクッキーが用意されてるじゃないですか。これはうれしいよね~(名前には気づいてないだろうけど)。しかも美味しそう。リードを外すと、クッキーのところに一目散に走り出す愛犬……。

洗面スペースの壁を取り払っているので、実際の面積よりも広く感じます。洗面台を使いながら、愛犬の様子を見守ることができるのもナイスです。

かんざしをイメージしたベッドサイドの照明など、ところどころに日本のイメージを取り入れています。

さて、気を取り直して部屋をチェックしていくとしましょう。エグゼクティブキングの客室は33~36㎡。ベージュを基調に、和の粋とNY風のデザインを融合させた客室は、スタイリッシュでありながら、リラックスできる雰囲気です。

「幕ノ内弁当」を模したクローゼット。

部屋を入ってすぐの壁面には、「幕ノ内弁当」からインスピレーションを受けて作ったという、モダンなクローゼットが。アーティスト高橋理子氏がデザインした、オリジナルデザインの浴衣や扇子、傘、ヨガマットなど、必要なものがここに収納されています。「lululemon(ルルレモン)」のヨガマットがセットされているのも、ライフスタイルホテルの先駆けともいわれるキンプトンならでは。客室完備のタブレットには、ヨガの動画も入っていました。ペットシーツなど足りなくなったものも、タブレットを使ってオーダーできます。

タブレット端末は、「モレスキン」製のケースに入っていました。かっこいい!

「座ればいいんでしょ、座れば」(byイヌ)

ペット専用の食器はPEGION製。フードボウルは、ホテルのテーマとなっている、「マンハッタンのアートシーン」をイメージして作られたオリジナルです。イヌ用のベッドは、天然のオーガニックコットンを使った、ドイツの「Cloud7」のキャンバスベッドを採用。こりゃ、寝心地いいはず。ちょっと寝てみなさいよと無理やり乗せてはみるのですが、なかなか思うようにはいきません。そうだよね、寝たくないのに寝ろって言われてもねと、あきらめて放置していたら、自分で寝ていました(カメラを構えたら、妖気を察したのか逃げ出されてしまい、撮影には失敗しましたが……)。

刻一刻と変わりゆく新宿の空。つい見入ってしまいます。

ヘッドボードには墨絵を思わせる花の絵が描かれています。ちなみにこちら、ゲストそれぞれのインスピレーションで自国の花を思い出したり想像したりしてほしいという思いから、あえて実在しない花を描いているのだとか。

お部屋チェックや写真撮影、メールの返信などをしているとあっという間に日が暮れてきました。じつは個人的に楽しみにしていたイベントがあったのです。キンプトンでは、全世界共通で、毎日17時から1時間、ワインやオリジナルカクテルとピンチョスを味わいながらゲスト同士やスタッフと交流できる「イブニングソーシャルアワー」が設けられており、宿泊のゲストは無料で参加できるんです。

「イブニングソーシャルアワー」のイメージカット。ワインはカウンターまで注ぎに行くシステムです。犬をあやしていたら、「よろしければワインお持ちしましょうか」とスタッフの方。やさしい! 「白ワイン、お願いしまーす!」

ほかのホテルでいうところの、カクテルタイムのようなものですが、ここではイヌのオーナー同士、コミュニケーションが生まれることもあるのだとか。開催される場所は日によって変わるそうですが、この日は、ホテル唯一のレストランでもある、2階の「ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ(DISTRICT BRASSERIE・BAR・LOUNGE)」が会場でした。騒ぎ出したら強制送還すればいいしねと、イヌも連れていくことにします。

「ディストリクト」は、ダイニング・バー・ラウンジ・テラスの4エリアで構成されていて、ラウンジとテラスエリアはイヌも同伴OKです。

大きな窓から外の光がたっぷり差し込む店舗は、それこそ、ニューヨークのレストランを彷彿とさせます。テラス席も魅力でしたが、まだ肌寒い季節だったのと、室内もペットOKというのはなかなかレアよねと今回は、ラウンジを利用することにしました。席につくと、スタッフがすかさず犬用のソファマットを持ってきてくれました。ではお言葉に甘えて……と、愛犬は気持ちよさそうにまどろんでいます。調子に乗って、ママはそのまま夕食をいただくことにしましたよ!

「私のご飯まだあ?」(byイヌ)。ソファが気持ちよかったのか、すぐうとうとしてくれました。

「なんでアンタだけ美味しそうなモノ食べてるの?」(byイヌ)

で、肝心の「ディストリクト」の料理ですが、美味しいのはもちろん、とても楽しかったです。マンハッタンの多様性をベースに、新宿の「今」を融合させた独創性あふれる同店の料理は、メニュー名だけでは想像ができないエンターテインメント性にあふれたもの。お金と胃袋に余裕があれば、「メニューの上からぜんぶ持ってきちゃってください」って言いたい! グラスのシャンパンを、マグナムボトルで用意しているというこだわりも、飲兵衛にはうれしい限り。イヌ連れなのに、そこそこ飲んじゃいました(笑)。

もう少し暖かくなったら、テラスでのんびりもいいですね~。

植栽を配したテラス席もステキです。高層ビルに囲まれているのですが、それがまた新宿にいるって感じでいいんですよね。首都高を疾走するクルマの騒音も、このシチュエーションではわくわく感をひきたてる小道具に。テラスに配した植栽とのコントラストもいい感じです。

美味しい食事とお酒ですっかりほろ酔いに。お風呂に入って、倒れ込むように就寝したせいか、朝は思いのほか早く目覚めました。窓の外に広がる、見慣れているはずの新宿の風景が新鮮に感じます。まずはお散歩に出かけましょうかと、ホテルから徒歩約5分の新宿中央公園へ。大都会でのお散歩を楽しみつつ、大事な用事(うちのワンコは宿泊先ではトイレを我慢する傾向あり)を済ませます。

「これはニューヨークのカフェです」と言われたら、「TOKYO」って文字が描かれていても、疑いなく信じちゃいそうです……。

「ザ・ジョーンズ カフェ&バー」ではイヌ用のクッキーも販売していました。間違いなく美味しいヤツ!

ホテルに戻ったら、1階の「ザ・ジョーンズ カフェ&バー(The Jones Café& Bar)」へ直行です。コチラ、日本初上陸となるニューヨークのコーヒーショップ「バーチコーヒー」のコーヒーが味わえるのですが、朝は宿泊のゲストは無料でコーヒーがいただけます。ニューヨークのグレート・ジョーンズ・ストリートにあるカフェをイメージした空間で、お散歩途中に立ち寄って美味しいコーヒーが飲めるご近所さんがうらやましい限り。

人間様(私)の朝ごはん(ディストリクト風ドンブリ)と、見守るイヌ。

「ディストリクト」のブランチも噂に違わぬ、美味しさ&斬新さでした。ブランチは7時から15時まで提供しているので、遅めの昼食や昼飲み、パワーブレックファストなど、ライフスタイルにあわせて利用できるのもうれしいポイントです。

また来ようね~!

レンタサイクルの利用も可能(無料)。ペットと一緒にサイクリングが楽しめるよう専用キャリーケースの貸出も行っているそうです。

新宿駅から歩いて訪れることができる、つまりは私たちの日常の延長線上にある、アートでラグジュアリーな空間。ここで愛犬とともに「何もしない時間」を過ごし、食べて、飲んで、寝る──ちょっとしたリフレッシュに、定期的に足を運びたいなと思いながら、ホテルを後にしました。そして、宿泊でのリピートはもちろん、今度はイヌと一緒にコーヒーや食事(とお酒)を楽しもうともくろんでいます。

 

 

Kimpton Shinjuku Tokyo (キンプトン新宿東京)
東京都新宿区西新宿3-4-7
☎03-6258-1111(代表)
https://www.kimptonshinjuku.com/jp/

*カフェ・レストランの営業時間は、事前に公式ホームページで確認を


Text and Photos by Aya Hasegawa, Edit by Miyako Akiyama

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