【特集】マウントフジ里山バケーション

一般的な観光にとどまらず、地域の人のためにもなり、その土地の自然や文化を肌で学ぶ旅がしたいと思うことはありませんか? そんな方に「エコツーリズム」という選択肢があります。今回は、世界中の村々でエコツーリズム開発支援活動を行う一般社団法人エコロジックが自らの“ホーム”で運営する「マウントフジ里山バケーション」をご紹介します。

 

 

最近、耳にする機会が増えた「エコツーリズム」。定番の都市やリゾートへの旅行に代わる、さまざまなアクティビティに挑戦できる体験型の観光として注目されています。ただ、それは旅行者側から見た一側面。観光地に暮らす地域住民の方から見た視点で、エコツーリズムを語ると、よりその魅力や可能性が浮かび上がります。

エコツーリズムの本質を世界と日本で発信してきたのが、一般社団法人エコロジック。2008年の創業以来、「観光を通じて、地域の自然、文化を守る」をミッションとし、世界中の村々でエコツーリズム開発支援活動を行ってきました。

その後、同法人の本拠地である富士山・富士宮の自然や文化体験を通じて、世界中のゲストに「和の心」を伝えたいという思いから、地元でのエコツーリズム事業を開始。そして2021年春、開設したのが「マウントフジ里山バケーション」です。

今回は、エコロジックの代表理事であり、日本を代表するエコツーリズムのパイオニアである新谷雅徳さんに、エコツーリズムや同施設について教えていただきました。

 

地元住民だからこそ伝えられるストーリー

「私たちのエコツアーに参加してくださる日本人と世界の人々が、富士山に見守られながら、語り合える場を作りたいという思いで、マウントフジ里山バケーションをオープンしました。かねてより、富士山や富士宮は、東京や温泉地・箱根から日帰りでも行けて、自然も味わえる場所として、外国人観光客から人気のデスティネーション。そのニーズに応えた事業を運営し、世界各国からゲストを招いてきました。そして、日本人にもこの魅力を体験してほしいと思い、宿泊も伴うエコツアー施設の開設に至りました」(以下、「」内は新谷さん)

富士山が眼前に広がるマウントフジ里山バケーション

新谷さんは25年前、アメリカの大学院でエコツーリズムに出会って以来、世界16カ国以上の村落でエコツーリズム開発支援を行ってきた人。世界から日本にエコツーリズムの研修に来る人向けの教材をJICAで作成し、さまざまな国で翻訳・活用されています。長年、最前線で向かい合ってきた新谷さんの考えるエコツーリズムとは?

「エコツーリズムがめざす『持続可能な地域社会の実現』は理想的ですが、実現するのは簡単ではありません。ですから私たちは、私たちは地域住民に寄り添い、ゆっくりと時間をかけて信頼関係を構築し、彼らの理解のもとに、地域住民主体のエコツーリズム開発支援を行うことをポリシーにしています。その土地の自然や文化について、地元で暮らしている人だからこそ伝えられるストーリーがあり、それこそが大きな価値だと感じているので」

地域住民の方との交流の機会も豊富に設けられているエコツアー。これもエコロジックの地域に根ざした活動に基づく信頼関係で成り立っています

 

リラックスして楽しめる1組限定の宿

世界各地を飛び回り、1年のうち8カ月は海外にいるという新谷さんですが、富士宮が一番居心地がいいといいます。エコツーリズムのプロフェッショナルが、愛すべき地元に満を持してひらいたマウントフジ里山バケーション。一体どんな特徴があるのでしょう。

「ダイナミックな富士山を愛でながら、里の自然に囲まれ、ゆったりとした時間を過ごしてほしくて、1日1組限定の貸切り施設としました。天候がよければ、朝は白糸の滝へのモーニングツアーや田貫湖サンライズツアー、夜は星空観察などの無料のミニエコツアーもご案内します。

E-BIKEツアーの一例。里山と、富士箱根伊豆国立公園である田貫湖をまわる2種類を用意しています

自然や里山を満喫できるE-BIKEエコツアーや地元の酒蔵などをまわれる有料のツアーも好評です。それからうちはスタッフも魅力の一つ。アフリカで12年間野生ゴリラを研究していたり、ツキノワグマにくわしかったり、地元に住んでいるからこそご紹介できることに加え、彼らの個性も生かしたガイドを行います」

生まれも育ちも富士宮の看板犬・夢ちゃん。ずっと富士山を眺めて暮らしてきました

スタッフといえば、新谷さんの家族であり、同施設の看板犬である「富士山 夢(ふじやま・ゆめ)」ちゃんも見逃せません。ちなみに、同施設はこれまで4組に1組が「犬連れ旅」のゲストだったそう。

「プライベートプレイスで他の方を気にせず過ごせるため、リードを付けてペットを自由に遊ばせてあげられます。この間、ゲストが犬を連れて施設のまわりを散歩していたところ、近所の人と挨拶できて楽しかったと話してくれました。ペットがいると地域住民との交流もさらに広がるかもしれませんね。ペットのゲストには、夢も好きな鹿肉のジャーキーを差し上げています」

広大な敷地で愛犬ものびのび走りまわります

 

自然とは“グラマラス”な存在である

富士山の自然や里山の息吹が眼前に広がる敷地内には、洗練された雰囲気のラウンジ、イベント用のサファリテントや焚き火場、それからグランピング施設があります。

宿泊費に含まれる夕食は、高機能BBQグリルを囲み、地元で採れた野菜と朝霧のお肉をBBQで楽しめます

「ゴージャスな備品で囲み、都会の生活を持ち込むリゾートのようなグランピングも増えていますが、本来はそういうものではありません。グランピングの語源である『グラマラス(魅惑的な)』とは自然を指すと私は考えます。刻々と変化する富士の姿に時を忘れ、稲穂を吹き渡るそよ風を感じ、満点の星空の下、炎を囲み仲間と語る……、それが真の贅沢だと思うのです。また、施設のあちこちに、地場の建材を使った上質な家具や世界各地で見つけた民藝品など、“本物”がたくさん設置されているので、それも注目していただけたら」

欅(けやき)の一枚板を使ったテーブルなど、こだわりのインテリアも見所

2021年の年末までは、オープンニング特別価格で提供するという同施設。コロナが収束したら、海外のゲストを含め、最大2組を受け入れる展望もあるのだとか。日本人と海外のゲストに、地域住民、それからペットまでが交流でき、大自然の恵をともに共有できる贅沢をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

マウントフジ里山バケーション
https://satoyama-vacation.com/

 

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Text by Rui Minamoto, Edit by Miyako Akiyama

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