Mon Cachette vol.20 7頭のお供と暮らす幸せな「王国」

温暖な気候の南房総。山のなだらかな斜面を活かして、8500坪もの広大な土地に屋敷を構えるG.Mナイルさんのお住まいを訪ねました。ともに暮らしているのはシェパードと秋田犬、そしてダルメシアンとスピッツ……7頭のお供にかしずかれているようなナイルさんの「王国」をご案内します。

 

 

vol.20 G.M.ナイルさん&7頭の犬たち

 

G.M.ナイルさんと愛犬たち。

銀座のインド料理店「ナイルレストラン」は1949年、インドの独立運動家であったA.M.ナイル氏によって創業されました。カリーとライスをよく混ぜて食べる「ムルギーランチ」は歌舞伎役者を始め、有名人にもファンが多いことで有名。日本に本格的なインド料理を知らしめた草分け的な老舗です。

ブーゲンビリアの咲き乱れる温室で。

G.M.ナイルさんはこのA.M.ナイル氏の息子として日本に生まれ、「ナイルレストラン」2代目オーナー兼、1970年代以降はテレビタレントとしても活躍。多くの映画やドラマ、バラエティ番組でこの明るい笑顔をご覧になったことがある方も多いでしょう。

洋の東西を問わずさまざまなアートや彫刻が飾られた庭。中央はインドの神様ガネーシャ。

ではそのナイルさんが、大変な愛犬家であることはご存知だったでしょうか? 南房総の温暖な気候にひかれ購入した8500坪の広大な土地を28年かけて整備したという庭と邸宅に、現在は奥様と7頭の愛犬たちと暮らしています。

左/朝食はいつもここで摂るという「タンドーリハウス」、右/広場から温室を望む。

この近くにはかつて採石で栄えた鋸山がありますが、このナイル邸も山のなだらかな傾斜を活かした造り。寝室やリビングのある母屋のほかに、BBQができる「タンドーリハウス」や「温室」、世界の神仏像を集めた通称「ドリームハウス」など数軒の建物が立ち並び、敷地内の広場や庭園には世界中から収集された彫刻や美術品が所せましと鎮座しています。洋の東西、古今を超えた時空間に、自分がいまどこにいるのか少し見失ってしまいそうな不思議な感覚を味わいます。

警察グッズコレクターとしても知られているナイルさん。邸宅内にはなんと「交番」も⁉

「幼いころからずっと犬と暮らしてきました」というナイルさん。ドーベルマンが欲しかったそうですが、ご縁があったのはジャーマン・シェパードでした。実は大の警察ファンで、警察グッズの収集家としても知られているナイルさんが、警察犬をイメージさせるシェパードと暮らしているのはなんだか自然な成り行きのようにも思えます。

庭園の高台に設えられた玉座で、ムガール(左)、プシパー(右)と一緒に。

「ぼくはたくさんの犬を飼ってきましたけれど、ジャーマン・シェパードはやはり別格なの。賢いし、忠実。プライドも高い。ムガールとプシパー(シェパードの2頭)はペットじゃなくてね、最高の友人なんですよ。相棒です」

と話すナイルさんのそばを離れない2頭。お宅に伺った当初は、まるでボディガードのような緊張感を持って私とフォトグラファーの吉澤さんを見つめていましたが、時間が経つにつれ、少し心を許してくれたかな?

「怪しいヤツが来たのかな?」と警戒感を見せるプシパー。奥は秋田犬のチャンディー。

「え、誰か来たの?」とマイペースな秋田犬のアクバル。

「それに比べたら、チャンディーとアクバル(秋田犬の2頭)なんて、うちでは愛玩犬(のカテゴリー)。みんなにニコニコしちゃうんだから。しょうがないなぁ、もう」と言いながらも、ナイルさんの目尻は下がりっぱなし。朝5時には起床して、タンドーリハウスでコーヒーを淹れ、庭を愛犬たちと眺めるのが至福の時間だと話します。

ミックスのレビーとダルメシアンのチャンナ。

スピッツのメグリーは15歳で、ナイル家の犬たちでは最長老。

「ぼくは犬たちから幸せをもらっています。犬がいるから、運動もするし、健康でいられる。だからお返しに、ぼくが犬たちを幸せにしてあげないとね。それが、人間としての責任でしょ」

家の中でも、庭園でも、ナイルさんの後を仲良くついて歩く犬たちの姿に、絆の深さを垣間見ました。


Text by Miyako Akiyama, Photos by Kenta Yoshizawa

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