パリの猫たち vol.19 大きないびきで家族を癒すアドリエンヌ

フランス・パリで20余年。ずっと猫と暮らしてきたフォトグラファーがパリの素敵な猫と人と出会い、20の質問をたずねます。第19回はアパルトマンの4階から落ちて右目にケガを負った猫。引っ込み思案ですが、甘えるのが大好きなアドリエンヌです。

 

 

1. あなたの名前と職業を教えてください。

フランク・ヴリエール
パリ20区にあるレストラン「Bøti」のオーナー兼シェフ(料理もサービスもすべて一人でやっています)。

2. あなたの猫の種類、名前、年齢を教えてください。

アドリエンヌ、ヨーロピアン(雑種)。
推定16歳(引き取った人から誕生日を教えてもらえなかったので正確な年齢が分かりません)です。

3. あなたの家はどんなおうち?

ヴァンセンヌの森近く、パリ東郊外の街にある70㎡ほどのアパルトマンです。7階建て(日本では8階相当)の6階で見晴らしが良く、窓からエッフェル塔やモンパルナスタワーも見えます。日本人の妻ナナとひとり息子8歳のミライと3人暮らしです。
7年前にここに引っ越す前は、パリの18区のアパルトマンに猫2匹と住んでいました。

4. あなたの猫とはどのように出会いましたか?

昔、付き合っていた彼女のお姉さんが精神的な問題で動物が飼えなくなり、急遽引き取ることになりました。当時住んでいたアパルトマンでアドリエンヌは4階窓から落ち、右足を骨折、右目を負傷していました。足は治ったものの、右目は治らず、今でも半分閉じていて目ヤニがたくさん出ますが、こまめに拭いています。

引き取ってからしばらくはかなりの人間不信でいつも距離を取っていましたが、今はかなり私達に甘えてくれるようになりました。

5. あなたの猫の平均的な1日は?

私達が朝そろそろ起きようかなというとき、ベッドの中で少しでも動いたら、ベッドに飛び乗り、起こしに来てくれます。その後は、妻が家で仕事をしているため、妻の膝の上、仕事机の上や机のすぐ側で1日を過ごしています。
ご飯は1日中キッチンに置いていて、好きな時に食べていますが、食べ過ぎることはありません。いつもスマートです。

6. あなたの猫の普段のごはんを見せてください。

ドライフードの「Purina ONE」から3~4種類をいつも台所に置いているのですが、気分によって食べ分けているようです。昔からドライフードしか食べませんが、唯一、食事中にバターをあげると少し舐めます。水は、昨年亡くなったもう1匹の猫がなぜかバスルームに置いた水しか飲まなかった名残から、アドリエンヌも水はバスルームで飲んでいます。

7. あなたの猫の特別な日のごはんはどんなもの?

本当にいろいろなごはんを試してみたのですが、どんな時も今あげているドライフードしか食べません。

8. あなたの猫のおやつはどんなもの?

妻の家族が日本から3種類の味のチュールを送ってくれたのですが、まったく食べませんでした。いつも置いている3~4種類のドライフードから朝はこれ、おやつはこれ、と選んでいるのかもしれません。

9. あなたの猫の大好きな居場所を教えてください。

妻のデスク横のクッション、私と妻のベッド、寒い時期はヒーターのそばで寝ています。
掛け布団の布団カバーの中に隠れるのも好きだし、朝日が当たる場所も好きで光の動きに応じて移動しています。私と妻がソファに座っている時には、膝の上でいびきをかいて寝ています。

10. あなたの猫の大好きなおもちゃはなんですか?

なぜか紫の古い小さなボールが大好きで、これを投げると取りに走り、口にくわえながらすごく大きな声で鳴いて戻ってきます。妻が、ネズミを捕った気分で私たちに見せたいのでは? と言うので、ボールを取って戻ってきた時に「ブラボー!」と手を叩いてみたら、ほめて欲しいのか、ボールを置いて甘えに来るので、今はこれが毎日の習慣になっています。

11. あなたの猫はどんな性格?

警戒心が強く人見知りですが、私達家族にはとても甘えます。ただ私達にも抱っこや撫でたりさせてくれない時もありかなりの気分屋さん。その分、喉をゴロゴロ鳴らして喜んでくれると「やった!」という達成感があります。

12. あなたの猫の特技は?

すごいいびきです! あまりにも大きいので、妻はそれを録音して、たまに聴いて癒されています(笑)。

13. あなたにとってあなたの猫はどんな存在ですか?

家族です。うちは私と妻と9歳の息子の3人ですが、アドリエンヌと一昨年亡くなった雄猫のタガダを入れて5人家族だと思っています。

14. あなたの猫のここがかわいい!とひとつ挙げるならどこですか?

アドリエンヌが甘えに来たとき、撫でている手を止めると「もっともっと」と小さな手で私たちの手をとんとん叩くことです。

15. あなた自身とあなたの猫は似ていますか? 似ているならどんなところが?

控えめであまり前に出たがらないところが似ていると思います。

16. あなたの猫はあなたのことをどのように思っていると思いますか?

まだ1~2歳の時に引き取ったので、パパだと思ってくれているとうれしい。

17. あなた自身の猫歴を教えてください。

母が猫好きで、小さな頃からずっと猫と一緒に育ちました。自分で飼った猫は昨年亡くなったタガダとアドリエンヌの2匹です。猫のいない人生は考えられません。
タガダの写真はいまもあちこちに飾ってあります。位牌も写真、おもちゃと一緒に置いてあります。

18. あなたとあなたの猫の一番楽しかったエピソードを教えてください。

アドリエンヌはあまり感情の起伏がなく常にクールなのですが、我が家の王様だった雄猫タガダが一昨年亡くなってから、積極的に私達のところに来るようになりました。
タガダがいなくなった悲しみで辛い時期に、アドリエンヌがこれまでにないほど甘えてくれたことで、とても救われました。

19. あなたの猫はあなたの生活、意識に何を与えてくれますか?

大きな愛情と癒しをくれます。

20. 悲しいことですが、あなたの猫があなたのもとを去る日がいつか来ます。どんな風にお別れしたいですか?

もう一匹の猫タガダは病院で癌が見つかってから抗がん剤治療や入院、通院で辛い思いをさせました。最期は病院での検査時のちょっとしたミスが致命傷に……私は仕事で留守にしていたとき、静かに妻の膝の上で亡くなりました。このことが家族全員のトラウマになっているので、アドリエンヌが弱ってきて最期を迎える時が来ても、無理な治療はせず自然に任せ、できる限り最期まで一緒にいたい。そして位牌もタガダの横に置きたいと思っています。


Text and Photos by Manabu Matsunaga, Edit by Miyako Akiyama

報告する

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。